太陽光発電目的での転用は、農業委員会の審査がとても厳しいです。
「厳しい」のは、ほかの事業と比べて、
- 必要書類が多い
- 事業計画書に記載すべき事項が多い
という点にあります。
難しい太陽光の転用許可をとるためには、審査で納得される事業計画書の作成が重要。
書き方を具体的に説明します。
事業計画書の記入例
太陽光発電の審査が厳しい申請先で、自分が書いていた事業計画書を掲載します。
様式は違うときもありますが、内容はいつもこんな感じです。
赤字で書いた部分が、農業委員会にアピールする重要ポイント。具体的には次章で解説します。
使えそうな部分があればコピペして使ってください。
※記入例に出てくる「標識」案や、「収支シミュレーション」表について:下記の記事で解説しています。
【太陽光発電の農転】添付書類まとめ(必要書類の一覧と、各書類の解説)
近隣トラブルを防げるかどうかを重視
農業委員会が一番嫌がるのは、転用後に近隣住民からクレームを受けること。
トラブルが起きて対処するのは、大変だし面倒だから。
太陽光発電は、近隣住民からの苦情が相次ぎます。そのため事前に防止策を講じているか、徹底的に審査します。
そこで、
と思わせる事業計画書を作る。
農業委員会に安心&納得してもらうことが、許可への近道なのです。
具体的に想定されるトラブルを挙げます。
これらの問題に対して、下記のことを事業計画書で伝えられたら成功。
事業計画書を書くときに
を想像しながら、事業計画を記載しましょう。
事業計画書の記載例には、「雑草が生えたら適宜、草刈りをする」旨を記載しますが、実際に定期的な除草作業が難しい場合も。
土地が広範囲だったり、管理者が多忙(または高齢)であれば、相当な負担。
草が伸び放題になり、クレームや問題が起きる前にプロに任せましょう。
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こちらは東証上場企業で、見積もり後の追加料金が発生しないので安心。
定期的な依頼や、除草剤・防草シートなど、本格的な除草作業も対応してくれます。
信頼性を高めるには、行動記録と配置図が大事
トラブル対策について、事業計画書が下記のような内容だと少し弱い。
- こんなことに気を付けます
- こんな対策をする予定です
これだと、農業委員会に
と思われます。
事業計画書に信頼性を持たせるには、
- 行動記録
- 配置図
を利用するといいです。一つずつ解説します。
行動記録(近隣住民への説明、雨水の調査など)
これから対策することに加えて、
現時点で、トラブル防止のために何かアプローチをした
とあれば印象に残ります。
記載例のように
- 隣地の所有者へ説明に行った
- 近隣住民へ、計画について説明文書を送付した
など行動を起こし、その日時や結果を示すと信頼性が高まります。
このほか雨水を放流する側溝が無く、自然浸透の場合は、下記のようなアプローチもいいですね。
「〇月〇日 大雨が降ったので、その翌朝に申請地を確認。
隣地への雨水流出は無く、現時点では浸透桝などの対応は不要であると判断しました。」
排水について真面目に考えている姿勢が伝わります。
農転の仕事では、排水確認で雨の日やその翌日の現地確認がよくあります。
くれぐれも視察は気をつけてください。
面倒な雨の日の移動。開くときも、閉じるときもワンタッチの自動開閉傘が便利です。
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晴雨兼用なので、真夏の現地確認で熱中症対策にも。
配置図(小堤や土側溝を加える)
事業計画書の記載例には、適正な排水処理のため小堤や土側溝を施すと記載。それを配置図に描きます。
配置図に示すことで、こんな利点が。
事業計画書は文書で対策を示すのに対し、配置図では視覚的に対策を伝えられる。
事業計画書の記載例に示した配置図についても、別記事で掲載したいと思います。
審査が厳しくない申請先は【書き過ぎ注意】
事業計画書の書き方について、下記が重要だとお伝えしました。
- トラブルを未然に防げることをアピール
- 信頼性を高めるため、行動記録や配置図を活用
ですが、審査に対する厳しさの程度は、申請先によって違います。
審査が厳しくない農業委員会へ申請するなら、ここで紹介した内容は書かなくて大丈夫。
むしろ、行動記録は書かない方がいいです。
その後の審査のハードルが高くなってしまうから。
理想的な防止対策と完璧な裏付けを用意すれば、もちろん許可は取得できます。
しかし。それにとどまらず、農業委員会側は
と思います。
その結果、
という展開に。
そうなると、次回以降に申請する自分も、市内の行政書士たちも事業計画書に余分な時間を割くことになってしまいます。
事業計画書にどこまで手を掛けるべきかわからないときは? そこそこの状態で提出、様子を見ていくのもアリ。
補正で、付け足しはいくらでもできますので。
スキルや知識を高めることは大切。でも仕事効率化やストレス軽減も図りたい。
やらなくてもいいアプローチは見極めましょう。
太陽光発電の農地転用については、こんな記事も書いています。
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