【太陽光発電の農地転用】添付書類まとめ(必要書類一覧と解説)

※当サイトは、アフィリエイト広告を利用しています。

太陽光発電のための農地転用 必要書類について 農地転用

一時期、農地転用の依頼の半分以上が太陽光発電目的だった時期がありました。

今から5,6年前です。


売電価格が年々下がっていくにつれ、太陽光発電の農地転用は少なくなってきました。

それでも発電認可を取得済の土地のなかには、売電価格が良かったときの認定を保持しているものもあります。


農地法手続きの依頼が来る可能性はまだあります。

太陽光発電の申請について、必要書類を詳しく解説します。


太陽光発電の農地転用:必要書類一覧

以下は通常の申請に加えて、太陽光発電の場合に提出する書類です。

(※通常申請で必要な書類はこちら「農地転用に必要な書類」にまとめています。)

  1. 経済産業省 認可通知書(写し)
  2. 電力会社の「系統連系に係る契約のご案内」(写し)
  3. 太陽光発電設備に必要な費用の見積書
  4. 発電・売電シュミレーション
  5. 維持管理計画
  6. 保守点検計画
  7. 標識案

こんなに追加書類が多い申請は、太陽光発電のほかにありません。


※上記すべてが必要とは限りません。申請先によって不要なもの、もしくはこれ以外に必要なものがあったりします。



一覧に挙げた書類について、1つずつ簡単に解説します。長くなってしまうので、

気になったところだけチェックしていただけたらと思います。


経済産業省の認可:事業者と申請者が一致すること

経済産業大臣が発電計画について認めたことがわかる通知です。通知書には

  • 認定日
  • 事業者名
  • 設置場所

が記載。


大事なポイントが1つ。ここに記載の

事業者名 = 農地法の申請者名 

この2つは一致していること。


売電価格が高いときに認定をとるため、事業者名は「仮」で取得したケースも多いです。

売電の認可を関連会社に売ったり又貸ししたり…。事業者が変わり認可通知との整合性が取れていない状態では、転用申請できません


その場合、経産省の認可の内容事業者名)を変更します。

事業者名の変更すると、変更認可通知が発行されますので、それを農地法申請に添付します。


電力会社の「系統連系に係る契約のご案内」

電力売電申請について接続契約が成立したことを証明するもので、

  • 発電設備内容(事業者名、発電場所)
  • 工事負担金

が掲載されています。


計画の実現性を判断する書類で、転用申請に必要になる可能性が高いです。

見積書:発電設備に必要な費用

見積書はメーカーが顧客に提示したもの。

  • パネル代
  • パワーコンディショナー代
  • 接続工事費用

など設備投資にかかる金額がわかるものです。


※申請先によっては不要になることもあります。

※提出する場合は、申請書様式2号の「資金調達についての計画」部分と整合性をとりましょう。


発電・売電シュミレーション

20年間発電をする計画が一般的だと思います。

  • その20年分の売電量、価格について各年のシュミレーション
  • 何年目で設備投資費用が回収できるか
  • その後いくら利益が出るかなどの試算

などをまとめたもので、メーカーから顧客に提示している資料。


農業委員会としては、最終的な利益からパネル撤去費用が捻出できるかどうかを確認しています。

特に賃貸借で契約している場合。 返却後にはパネル撤去 → 農地に復元 を想定しているので、それが可能かどうかがポイントになります。


※シュミレーション資料に撤去費用が表示されていないときは。

  • メーカーに頼んで追加記載してもらう
  • おおよその撤去費用を聞いて 申請書様式2号の「資金調達についての計画」 に記載


自分はこのように対応しています。


維持管理計画の記載内容

維持管理計画は「発電設備を誰がどのように管理していくのか?」がわかる資料として、提出を求める農業委員会があります。

決まった様式はなく、自分はA4用紙1枚に下記を記載して提出していました。

  • 草刈りの回数実施者
  • ゴミや設備異常などのチェックについて、予定時期や回数
  • 災害時の点検内容とその実施者

事業計画概要書内に書き込んでもよし、とする市もあります。

【太陽光発電の農地転用】事業計画書の書き方(記入例)


保守点検計画の記載内容

パワーコンディショナーについての点検回数と実施者を記載します。保守点検は主に高圧が対象で、低圧の場合は点検がないこともあるようです。


その場合は

  • 定期的な点検は行わない旨
  • 維持管理の点検時に異常がないかチェックする
  • 上記点検の際に不具合を確認した際の連絡先

などを書いておきます。


こちらの計画書も事業計画書のなかに記載することが多いです。


標識案(作成例):発電敷地への設置が義務化

20kw以上の野立て太陽光発電には標識の設置が義務化されています。

設置を確認するために標識案の添付を求める農業委員会があります。


記載する内容について、下記テンプレートを掲載しておきます。

上記のような表をExcelなどで作成し、経産省の認可通知書の内容を入力します。



事業計画書の記入例:被害防除対策(具体例)

転用目的が事業目的であれば、事業計画概要書が必要です。太陽光発電は記載すべき事項が特に多いです。


記載すべき内容は、簡単にいうと「周辺農地への被害防除対策」。

具体的にはこんなことを書きます。

  • 周囲農地へ影響の無い雨水排水の方法
  • 雨水流出防止のための施工内容
  • 近隣住民への同意について
  • 住民説明会の要否とその理由


事業計画概要書の書き方については、こちらの記事で詳しくまとめています。

【太陽光発電の農地転用】事業計画書の書き方


必要書類が多いワケ:トラブル多発が影響

以上にみてきたように、太陽光発電目的で農地法申請するときの必要書類はかなり多い…。


なぜこんなに多くの書類を要求されるようになってしまったのか?

その理由は、太陽光発電のトラブルが多すぎたから。


  • 周囲の農地に悪影響があった(雑草・砕石・雨水の越境など)
  • 地域住民から強い反対があった
  • 申請時の計画とだいぶ違う設営になっている

など。



自分のかつての勤務先(法務事務所)でも、本当にトラブルが絶えませんでした。

具体的な話は長くなるので、別記事で書きたいと思います。


最後に

野立ての太陽光は、だいぶ下火になってきました。売電価格が大きく下回り、投資価値として限界を迎えています。


今、農地法の依頼があるとすれば前年、前々年度の売電価格を保持している案件。

太陽光発電業者としては、残り少ない案件を確実に収益に繋げたいはず。


一方、農業委員会としては多くの申請を経験済み、見る目が養われています

警戒心も強くなっています


そうした状況で確実に申請許可をとっていくにはきちんとした計画とそれを裏付ける資料が必須

ここで紹介した書類をしっかりと確認・整備し、必要書類を抑えましょう。


太陽光発電の農地転用について、こんな記事も書いています。

【太陽光発電の農地転用】事業計画書の書き方(記入例)

【農地法申請書】転用目的・理由の書き方&例文集

コメント

タイトルとURLをコピーしました