農業委員会ってどんなところ?農業委員へ農転の説明が必要なケースとは?

農業委員会 基礎編
農業委員会

農業委員会は、市町村に置かれる行政委員会で、こんなことをしています。

  • 農地を適正に管理するための調査
  • 農地利用に関する相談の受付や支援
  • 農地転用手続きの許認可業務


農地転用の審査機関というイメージが強いですが、

  • そのほかにどんな仕事をしているのか
  • どのように許可審査をしているのか
  • 委員会の構成メンバーはどうなっているのか

など、実態について気になるところ。


自分が見てきた農業委員会について、実態や役割についてまとめます。


農業委員会の仕事とその構成員について

農業委員会の仕事、「農地の保護やその利用の適正な管理」とは、

具体的には何をするのでしょうか?

代表的なものを挙げます。

  • 農地転用に関する事前相談の受付
  • 無断転用農地についての調査(現地確認)
  • 農地の貸し出しや農業年金の相談受付
  • 農地法申請に対する審査
  • 総会の開催(毎月)し、農地法許可の決済をする
  • 許可証の発行


農業委員はどんな人?

農業委員会は、農業委員で組織されています。

農業委員は、

市町村が農業に対して見識があるものとして、議会の同意を得て任命した人たちで組織されます。


自分が関わった11市町村の農業委員会の構成員は、

各地区ごとに選出された、市内の農家の方々でした。


構成員の人数は、平均して15人前後だったと思います。

専業農家もいれば、兼業で会社員をされている方も。


任期は2、3年で交代ですが、希望してか、後任がいないのか、

何期か継続して担当する農業委員もいました。


行政手続きは農業委員会事務局

構成員メンバーを知ると、

農家の人達が行政事務をしたり、許可証を発行しているの?!

と思ってしまいますが、そうではありません。


事務作業全般は、農業委員会事務局が担当しています。

農業委員会事務局は、市の職員(農林課などに所属)が運営。

なので、前の章「農業委員会事の仕事」についても、

  • 農業委員が行うものと、
  • 農業委員会事務局が行うもの

に分かれています。


農転の相談・交渉相手は市の職員

下記業務は事務局が行うため、

基本的に農地法手続きのことで直接相談や連絡をする相手は、市の職員です。

  • 農地転用に関する事前相談の受付
  • 申請書の受付
  • 農地法許可証の発行


では、農地転用の依頼において農業委員と直接接する機会は無いの

というと、市町村次第で接点がある場合もあります。


農業委員会によっては、

農地法申請案件について、申請者が担当地区の農業委員へ説明に行く

というルールがあるからです。


農業委員への説明とは

農業委員会によっては、

申請書を農業委員会事務局へ提出する前に、

担当地区の農業委員への説明を求めるところがあります。


その場合は、農業委員の自宅に出向き、資料を渡して説明をします。


説明の流れ

事前に担当地区の農業委員への連絡先を確認し、

電話で日時を相談してから訪問します。


説明を受けた担当地区の農業委員は

総会が開催される前に、申請地を見に行き(現地調査)

問題があれば指摘をします。


説明する内容とは

説明する内容は、農転案件の概要。この3つについて簡単に伝えます。

  1. 申請地の場所
  2. 申請人の権利関係
  3. 転用目的


説明の資料は、下記をホチキスやクリップでまとめたもの。

  • 申請書
  • 申請地の場所がわかるもの(位置図、案内図、公図)
  • 転用の計画がわかるもの(計画図:配
    置・平面・立面など)
  • 説明者の身分がわかるもの(委任状)


実際に説明に行った感想:難点はアポ取り

農業委員の対応は人それぞれで、

自宅の玄関先で、5分10分説明を聞いて終了という人もいれば、

申請地に同行して状況を見ながら説明を聞く人もいます。


説明の所要時間は、自分の経験上30分以内には完了していました。

なので、説明事態はさほど難しいことではないのですが、

訪問のアポイントを取るのには、苦労が…。


電話で約束を取りつけるのが大変な理由はこれら。

  • 農家は基本的には外で耕作しているので、電話が繋がらない
  • 数日前にアポを取ると、忘れて出かけてしまう人が多い
  • 兼業の農家だと、夜しか自宅にいない


農業委員と確実に会うために、工夫したこと

農転説明のアポイント取り、確実に農業委員に会うために。

自分が心掛けた対応策が以下です。

  • 昼食を取りに一時帰宅をする12時過ぎを狙って電話をかける。
  • 電話がつながったら、なるべく早く会う約束を取り付ける→ まずは「これから行ってもいいですか」と聞く
  • 外の作業ができない、雨の日を狙って電話をする


それでもなかなか会う約束ができないときは、

申請書を農業委員会へ提出した後に説明に行く(順序が逆)こともありました。



農業委員会の開催と許可証の発行

農業委員会が毎月開催する総会にて、農地法申請の許可決済がされます。


許可決済がされた案件については、総会の翌日以降に許可証が発行されます。

許可証は早ければ翌日、遅くとも1週間以内に発行されるところがほとんど。


一刻も早く、工事に着手したい案件だと、

その1週間が待てない、という業者もいると思います。

そのようなときは、許可決済になったことを先に伝えるといいと思います。


転用は、「許可」を受けていればいいので、手元に許可証が来ていなくても問題ありません。


農業委員会と長く接してきて思うこと

自分が勤務していた事務所は、農転手続きの依頼が多かったので、

事前相談なども含めて農業委員会事務局へは週1、2回は行っていました。


長年、農業委員会へ顔を出してきて思うことは、主に2つ。

  1. 事務局の職員との信頼関係を築くことが大事である
  2. 農業委員の構成や関与には課題がある

事務局職員との関係 

農業委員会の担当者に、

顔と名前を覚えてもらっているかどうかで、対応に違いがあります。

具体例をいくつか挙げます。

相談対応

転用申請の前の事前相談は、基本的には窓口訪問ですが、

農地法を理解している顔見知りに対しては、電話で回答してくれる事務局も。

提出書類の期限について融通

申請書の提出時に添付書類が足りなくても、

後日速やかに提出する約束で、受付してくれることもあります。


関係性で対応も変わる

交渉に耳を傾けてくれる

転用案件によっては、机上の空論的な指導や補正指示がくることも。

現実的な説明・交渉をしますが、その主張を聞く姿勢が向こうにあるか。

好感を持っている相手の頼み事は、聞き入れてもらいやすいです。


雑談による情報収集

何気ない愚痴や冗談のなかから、

事務局からの目線や、他の転用案件についての情報が聞けるときもあります。


農地転用申請の仕事が多い事務所は特に、

よく顔を合わせる相手なので、自分が気持ちよく仕事をするためにも、

いい関係を築くよう心がけることをお勧めします。

農業委員の構成や関与に対する課題

一般の農家の方が、行政手続きの許可について意見する、というのは

正直、疑問に感じるところもあります。


農業をされているので、もちろん農地のことには詳しいと思います。


しかし、行政とは何か、行政手続きとしての許可について、

どのくらい見識があるのかわかりません。

転用計画によっては都市計画法や建築基準法など、様々な法令も関与します。


時代的にもそぐわない

農業委員への説明制度も、情報管理や感染対策の観点から

時代にそぐわないように思います。


実際、自分の申請していた農業委員会の多くは、廃止を決定しました。


申請について、説明に行くという理由で、

農業委員は電話番号と住所が名簿に記載され申請者に公開されます。

なかには、顔写真まで載せている市町村もあります。


申請者にとっても、農業委員という他人に、自分の転用計画が知られるのは、抵抗があるのではないでしょうか。


コロナウイルスの感染も心配される昨今、

今後は農業委員への個人説明を、実施しない農業委員会も増えるかもしれません。

農業委員会の担当と相性が悪いときは

最後に、

農業委員会事務局の職員や、担当地区の農業委員が嫌な人だった時について。

そういうことは結構あります。


でも、3年もすればだいたい、担当は変わるので大丈夫です。

割り切って、

なるべく補正を受けないよう申請内容をしっかり整えるなど、

接点を減らす努力をしましょう。


いい人も必ずいます

みなさんが農業委員会とよりよい関係を築けることを願っています。

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