資力証明書は、農地法4条・5条許可申請において必要になる書類。
(詳細は「農地転用の添付書類:資金証明書(残高証明書、融資証明書、通帳コピー)を解説」にまとめています。)
資力証明書に記載の名前 = 転用者(譲受人/借受人)でなくてはなりません。
今回は、
についてまとめます。
譲受人が複数になるケースとは?
転用計画がマイホーム建築のとき。
というケースがあります。
農地の所有権移転登記ができるのは、農地法の許可を受けた申請人のみ。
つまり、共有で登記するなら、農地法の申請人も夫婦連名で申請する必要があるのです。
譲受人が複数になる申請は、このケースがとても多いです。
申請人が複数のとき、資力証明書は全員分
申請人(譲受人/借受人)が複数のときは、全員の資力証明書が必要です。
夫婦連名で申請人(譲受人)になるとき。資金証明は
- 夫の資力
- 妻の資力
この両方について必要。
具体的には、下記の証明書類の提出が一般的。
①夫婦で住宅ローンを組む:借入が連名、または「妻が連帯保証人」と明示された融資証明書
②夫のみで住宅ローンを組む:夫の融資証明書と、妻の残高証明書(または通帳の写し)
上記②では、夫の借入額だけで資金が足りるケースも…。
しかしその場合でも、妻を土地の共有者にするには、妻も出資をする必要があります。
連名で申請:妻の残高証明書の額はどのくらい?
夫の住宅ローンが計画実行に充分な額であるとき。共有名義にするための、妻の出資分はどのくらい必要?
これはよく聞かれますが、答えは「いくらでもいい」です。極端な話、10万円でも構いません。
とにかく、「妻が資金を出している」事実が確認できればOK。
と心配する人もいますが、農地転用の資金証明は、共有持ち分の登記には全く影響しません。
「書類形式上」必要という話。なので妻の資力については通帳の写しで済ませる人も多いです。
「所有権登記」と「資力証明」の整合性
下の図式は、仲介者(不動産会社や測量士など)にも、あまり理解されていません。
譲受人(申請人)= 土地の所有権を得る人 = 資力証明を提出する人
土地を連名で登記したい場合には、下記を仲介者に念押ししておくと、後々の混乱や訂正が防げます。
- 転用手続きの申請人も連名
- 申請に添付する資金証明も、それぞれの分が必要
連名の申請は、例にあげた「マイホームの転用で夫婦連名」という場合がほとんど。
マイホームの転用依頼がきたら、「登記は夫婦共有にされますか?」と確認しておくと安心です。
まとめ(資金証明の保管に注意)
申請人と登記、そして資金証明書の整合性についてお伝えしました。
改めて農地法の許可の意味を考えると、
権利の移転・設定に対する制限を解除 = 登記を可能にする → 転用が可能になる
この流れが実感できるのではないでしょうか。
最後に。資金証明書を預かったら、提出(申請)までの保管に気をつけてください。
お金に関する個人情報は、最大限の注意が必要。その上、資金証明書は依頼主にお願いして、有料で用意してもらうもの。
絶対に無くさないように、大切に管理しましょう。
資金証明書については、こんな記事も書いています。
農地転用の添付書類:資金証明書(残高証明書、融資証明書、通帳コピー)を解説
申請人が複数になる場合、委任状にも配慮が必要。
良かったらチェックしてみてください。
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