農地転用の添付書類:資金証明書(残高証明書、融資証明書、通帳コピー)を解説

※当サイトは、アフィリエイト広告を利用しています。

資力を証明する書類 農地転用
資力を証明する書類

農地転用手続きで添付する「資力を証明する書類」とは、残高証明書や融資証明書、通帳の写しなどのこと。

この記事では、

  • 資力証明が必要な理由
  • 「融資証明書」として認められる書類と認められない書類の見分け方
  • 「残高証明書」と「通帳の写し」提出の注意点

について、解説していきます。


資力証明が必要な理由

農業委員会が資力証明の提出を求めるのは、経済的な視点で「計画が確実に実行されるかどうか」を確かめるため。

転用許可を出したものの、資金不足で計画がとん挫。転用されないまま耕作放棄地となった、という案件も少なからずあります。

そのような事態を回避するために、計画を実行できるだけの資金があるか確認する。重要な審査の一つになっています。


資力証明は写しでもいいの?

これは、依頼主からよく質問されますが、写しではダメなんです。

計画が実行できるかどうかの判断をする資料なので、信ぴょう性が求められます。偽造やごまかしがあっては、確認の意味がありません。

  • 証明書の発行は手数料がかかる
  • 平日の、しかも日中に発行手続きに行くことになる

など申請人には負担。ですが、こればかりは代理で取得することもできません。


資力証明はどんな案件でも必ず必要なので、前もって

  • その必要性や
  • 提出期日

を伝えておくことが非常に大事です。


「融資証明書」として認められる/認められない の見分け方

住宅を建てる転用計画であれば、ほとんどの人が住宅ローンを組みます。

住宅ローンで組んだ金額が、「土地を購入+建物を建てられる」額であれば、融資証明書が「資力を証明する書類」に該当します。


住宅ローンを組むとき、そのプランや金額が記載された書類が何種類か発行されます。

でもその全ての書類が、融資証明書として認められるわけではないんです。


融資の内容を示す書類は、銀行によって、

  • 住宅ローン事前審査申込書
  • 住宅ローン事前審査結果通知書
  • 融資証明願
  • 住宅ローン本審査のご案内

などなど名称は様々。同じような書類のタイトルでも、融資証明書として認められるものと、そうでないものがあります。

どう見分けるか?

それは、書類の内容で判断します。


「住宅ローン事前審査申込書」: 認められない可能性あり

「事前審査の申し込みを受け付けました。これから審査を開始します」という内容なら、融資証明書になりません。

この段階では審査次第で、融資を受けられない可能性もあるからです。


「住宅ローン事前審査結果通知書」:結果の内容次第

これは、タイトル通り、事前審査を経て融資を受けられるかどうかの「結果」が書いてある書類。

「融資を受けられますよ」という内容の結果であれば、証明として成立します。


「融資証明願」:文面で判断

下記のように、文面を読んで内容を判断します。

  • 融資を受けていることを証明願いますという内容のみだと×
  • 証明願いますの下に「上記を証明します」という証明文があれば〇

法務事務所にいると農地転用の依頼主(申請人)から、

「融資証明書ってこれでいいんですか」とメールやFAXで確認依頼がきます。


  • すぐに回答できるように
  • 書類が不十分なときに「こんな内容のものが必要です」と案内ができるように

判断基準を覚えておくことをおすすめします。


原本?写し?どうやって判断するのか

前の章で、証明書は原本でないといけないと述べましたが、原本と写しはどこで見分けるのか。

基本的には、書類に銀行名が記載されていて、その横に銀行印が押されているのですが、その印が実際に押されている書類を原本と判断しています。


印が実際に押されていれば、少なくとも朱印。印が黒いときは、コピーだと判断されます。


ただし、フラット35やネット銀行の発行した証明などは、発行書類に直接押印をしていないものもあります

そのような書類については、発行元の銀行に融資証明書としてほかに該当する書類は無いか、などを電話で確認します。


「うちは、証明をもとめられたときに発行するのがこの書類で、ほかにありません。証明書に直接押印はしていません」などの回答が得られれば、

農業委員会に提出するときにその旨を伝えて、受付してもらうようにしています。


「残高証明書」と「通帳の写し」の注意点

転用計画が駐車場の場合や、自分の土地に倉庫を建てる(4条申請)ときなど、借入をせずに貯金で賄うとき。残高証明書または通帳の写しを提出します。

なかには、住宅を建てる計画で、住宅ローンと貯金の両方から支出する場合に、借入証明書と残高証明書を用意する人もいます。


残高証明書は、融資証明書と同様、原本が必要

加えて注意すべきなのは、証明書の発行日です。


証明書には期限がある:3か月以内

申請書を提出する日から3ヶ月以内に発行された残高証明書でないと、受付されません。

それ以上前に発行したものだと、現在の状況と大きく変わっている可能性があるから。


それと、かならず申請人本人の口座残高で証明をとってください。

融資証明書は借入手続きをしてから発行まで時間がかかり、間に合うかどうかを心配することが多いのに対し、残高証明書はいつのタイミングでも取得ができるため、早く取り過ぎないように注意が必要です。


通帳の写し(コピー)の注意点

通帳の写しは銀行に行く必要もないので、申請人にとって一番負担の少ない書類です。

その分、注意すること・補完することがあります。

写しをとるページは、

  • 通帳の表紙
  • 表紙に銀行名、口座の種類と番号、口座名がないときは、それが記載されたページ
  • 最終残高が記載されたページ

です。


かならず申請人本人の名義の口座を使用してください。

さらに上記の写しには、原本証明が必要です。


原本証明って?

原本証明は、申請代理人である行政書士の名前と職印をもって、

「この写しが原本と相違ない内容であることを確認した」ことを記したものです。


原本証明の仕方は、写しをまとめてホチキス止めし、つなぎ部分に押印(行政書士の職印)します。

最終残高の余白、下の方に、

  • 日付
  • 「原本と相違ないことを証明します」の文言
  • 行政書士の住所、氏名を記載し、職印を押印

をもって証明。


なぜこれが必要かというと、「通帳の表紙は本人のもの。最終残高のページは、貯金がたくさんある親の通帳をコピー。」なんてこともできてしまうから。


農業委員会は、

写しが紛れもなく本人のものだと確認し、責任をもってそれを証明する代理人を信用する、

というスタンスをとっています。


行政書士は、資力を証明する書類が正当なものであることに全責任を負うことになります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました