公図とは?読み取れる情報(見方)や、農地転用の公図写についてわかりやすく解説。

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公図について 農地転用
公図について

農地転用の手続きを依頼され、最初に確認する図面が公図。

公図はとても重要な情報源です。



この記事では、

  • 公図から拾える情報や、
  • 申請時に提出する「公図写し」について

詳しく解説していきます。


公図(地図証明書)とは?取得先や縮尺など

それぞれの筆の形状や土地の境を表す、法務局(登記所)が管理する図面をいいます。

法務局では「地図証明書」として取得することができます。


大きさはA3、縮尺は、1/500のものと、1/600 のものがあります。

1/500の公図は、割と現況の土地の形状に近いです。


公図の見方:見本を使って精度区分などを説明

公図の下に、その公図についての情報が書かれています↓


縮尺の横に「精度区分」欄があり、記載されている場合は精度の良い順に、

甲一 → 甲二 → 甲三

乙一 → 乙二 → 乙三

となっています。


また「分類」という欄に「地図」と記載されているものは、地籍調査を経て備え付けられた、精度の高い内容であることを表しています。


地籍調査は、昭和から始まり現在まで進行中ですが、まだ調査が完了していない土地が多く残っています。


1/600の公図は、その調査未完了の状態の図面で、明治時代に作成した地図の情報から改正されていません。

こうした公図は「分類」に「地図に準ずる図面」と記載されており、実際の土地の形状とはかなり違うことも多いです。


そのような古くて、実際とずれている図面がそんなに重要なのか?

と思われるかもしれませんが、公図でしか得られない情報もたくさんあります。


公図と地図との違いは?(縮尺や地番)

公図は、住宅地図とは何が違うのか。まず、縮尺が違います。

  • 一般的な住宅地図の縮尺は1/3000~1/1500程度
  • 公図の縮尺は1/600~1/500

公図は、地図(縮尺)に比べて、より狭い範囲の地図になるため、調べたい土地とその近隣の土地について、詳しく知ることができます。


さらに地図との決定的な違いがあります。

  • 一般的な住宅地図では、土地の区画は敷地単位、場所の表示は住居表示
  • 公図は、土地の区画は筆単位、場所の表示は地番

上記の違いを、具体的な例を使って説明します。

公図からわかること(筆と地番)

例えば、あるお店の所在地が99-1(地番は仮)とします。これは住居表示です。が、このお店:99-1の敷地は、実は2つの筆からなっています。

99-1の土地に、下記の2筆が存在。

  • 99番1
  • 99番2 (地番は仮)


例えばこのお店の土地を買い取ることになったとき。土地の所有権は、上記2つの地番で登記します。

土地を管理したり調査するうえで、「地番」は非常に大事なのです。


一般的な地図は、住宅や店舗=1つの区画。地番はわかりません。公図を見ることで、初めて下記がわかるのです。

  • その住宅や店舗はいくつの筆が集まった敷地なのか
  • 各筆の地番はいくつなのか


土地全部事項証明書の取得にも「地番」が必要

上記の例であげた99-1の店舗敷地について、「土地の所有者を知りたい」ときは、土地全部事項証明書を取得します。



土地全部事項証明をとるには地番(99番1と99番2)が必要。地番は住宅地図からは得られません。

地番がわからないとき、公図から調べることができます。

そもそも農地は、住宅地図の住居表示がありません。せいぜい、畑や田のマークがついているくらい。

そんな土地の登記事項証明書をとりたい、というときこそ公図の出番


農地の隣に宅地があれば、まずその宅地の地番で公図を取得します。

※宅地であれば、地図の住居表示から地番の検討をつけやすいので。


調べたい農地が、その宅地を基準に、どこに位置するのか?(例えば宅地のすぐ北側に隣接している、とか)を把握。

この情報をもとに、農地の地番を調べます。


このように、申請地やその周囲の地目、面積、所有者を調べるにも、公図は欠かせません。


農地転用の添付書類:「公図写し」とは?

農地法の申請で提出する「公図写し」は 、公図に情報を書き加えて申請地や周囲の状況がわかるように整理したもの。


公図に下記の情報を反映させて作成します。

  • 登記事項証明書から得た情報
  • 住宅地図や現地確認などで調べた周囲の状況


公図写し:公図に追加する情報

もともとの公図は、筆ごとに地番のみ記載されている状態です。


農地法の申請で添付する「公図写し」にするために、公図に書き足す情報はこの2つ。

①申請地の

  • 地目
  • 面積
  • 所有者


②隣地(申請地が接している筆)の

  • 地目
  • 面積
  • 所有者

①②の情報は土地全部事項証明書や要約書にて取得


さらに、自分が申請していた市町村では、下記の編集を求めるところが多かったです。

  • 申請地を色づけ、または申請地の境界を色づけ
  • 水路や道路を色分けして塗る


このように加工した公図写しは、多くの情報を一度に把握できる便利な1枚です。

  • 申請地が一目でわかる
  • 申請地の基礎情報と隣地の状況がこの1枚で把握できる
  • 申請地に接道があるか、排水先があるか、など計画の適正を判断できる


そのため、これを説明資料として使う場面がよくあります。

  • 農業委員会へ申請するときの概要説明
  • 申請者(顧客)や仲介者(不動産会社など)に申請について説明するとき


公図写はjw_cadをオススメする理由

提出する公図写しを作成する際、法務局で取得した公図に、手書きで情報を書き込んでもいいのですが、できればjw_CADを使用して編集することをおすすめします。


その理由

  1. 仕上がりが綺麗で見やすい
  2. 補正指示があったときに対応しやすい
  3. 操作に慣れてくると手書きよりもラクに感じる


手書きで公図写しをつくるほうが、負担が大きいです。

法務局で取得した公図に、編集をするときのデメリットは色々あります。

  • 多くの情報量をまとめるのに、かなり小さな字で書かないといけない
  • 間違えを修正(消しゴム・修正ペン)すると、用紙が汚くなる
  • 色塗りの箇所が多いと、手作業は疲れる&時間がかかる


jw_CADの操作を覚える最初こそ、時間と労力が必要ですが、覚えてしまえばいいこと尽くめです。

  • 手作業よりも見やすく綺麗にできて
  • 後に補正指示を受けたときの編集対応もラク


jw_cadを使うのが不安な方へ

自分も農地転用をするまで、jw_cadを使うようになるとは思っていませんでした。いざ覚えてみると、難しくありません。


行政書士のなかには、jwCADが使えないという先生が大勢います。

図面が描けないから農地転用の依頼を受けられないという声もよく聞きます。


だからこそ、使えるようになるとチャンスが広がります。新しいツールを身につけてライバルが少ない分野に参入できるようになれば自信になります


初めてjw_CADを操作する人に向けて、解説記事を作りました。

全3回に分けて、公図写しを作る過程を画像をたくさん使い、丁寧に説明しています。



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