農地転用の許可後にやるべき手続きまとめ:所有権移転や地目変更、転確など

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農地法許可が下りたらやるべきこと 農地転用

農地法の許可証を依頼人へ渡せば、代理申請の依頼任務は完了。ですが、施工会社や不動産会社などへ滞りなく情報をつなぐことが大切です。


  • 仲介者(測量事務所や不動産会社)や施工者へ、転用許可が下りた旨、遅滞なく連絡する。
  • また転用者から直接依頼を受けたなら、許可後にどのような手続きが必要なのか、案内をすべき。

上記の対応をするためにも、農地法の許可後に必要な手続きについて、把握しておく必要があります。


農地転用の許可後にすべき手続き3つ

必要となる手続きは、下記の3つです。

  1. 所有権移転登記
  2. 進捗状況報告・転用事実確認証明願
  3. 地目変更


※1については、必ず必要とは限りません。

4条申請や5条の賃貸借や使用貸借など、土地の持ち主が変わらないケースもあります。



2と3は、原則「必ずやりましょうね」とされる手続き。


それぞれの詳細内容や、手続きのタイミングについて解説します。


所有権移転登記が必要な場合とは?

所有権移転登記とは、土地や建物(不動産)について(売買などにより)所有者が変わる場合に、新たな所有者を登記する手続きです。

売地のイラスト


転用で所有権移転登記が必要なケース

農地を転用するとき、その所有者が変わるなら所有権移転登記が必要。

それはつまり、農地法5条で、申請人が譲渡人と譲受人である申請(届出)について許可(受理通知書)がおりた場合です。


所有権移転は司法書士(手続きの流れ)

所有権移転登記ができるのは、司法書士です。

農地を売買するときは不動産会社の仲介が多く、その不動産会社と取引のある司法書士へ依頼がいくのが自然な流れ。


農地の所有権移転は、転用の許可(受理通知)を受けていることが前提。そのため、所有権移転登記には農地法の許可証(受理通知証)が必要です。

登記完了証のイラスト

所有権移転登記の流れ

  1. 農地法の許可を取得する/農地法届出の受理証を取得する
  2. 法務局へ登記申請・・・登記申請書、農地法許可証、その他必要書類を提出
  3. 1~2週間で登記手続が完了→新しい土地全部事項証明書の取得が可能に

※法務局へ提出後の処理期間について、「1~2週間」はあくまでも目安。


売買契約を急ぐときには、早く所有権移転登記をしたい。不動産会社から

「許可証を取得したら、その足で司法書士へ届けてほしい」

と要望されることもままあります。


進捗状況報告・転用事実確認証明願とは

報告(ほうれんそう)のイラスト

農地転用の許可後に、農業委員会に「必ず提出してください」とされる書類が「進捗状況報告書」です。

タイトル通り「農地が転用計画通りに転用されているのか」、その進捗を報告する書類です。



この進捗状況報告書と一緒に提出されるのが前述した「転用事実確認願」という書類。こちらの提出は必須ではありませんが、転用事実確認願を出したいから「進捗状況報告」をする人が多いです。


というのも、転用事実確認願を提出することで「地目変更」ができるから。地目変更については、後で後述します。



提出が必須の進捗状況報告書と、地目変更に必要な転用事実確認証明願。この2つ、実はあまり提出されていないのが現状です。詳しくは、

【転用事実確認証明願・進捗状況報告とは】記載例、行政書士に頼むときの費用でまとめています。


地目変更は土地家屋調査士(手続きの流れ)

農地を転用した場合には、基本的にはすべて地目変更が必要です。

農地法4条・5条の許可証にも、「転用後は速やかに地目変更手続きをして下さい」等の指示が記載されていたりします。

土地の現況が農地でなくなったなら、地目も農地以外にして下さい、ということです。


土地家屋調査士のバッジのイラスト

地目変更手続きの代行ができるのは、土地家屋調査士

土地の所有者が行うことも可能ですが、土地家屋調査士に依頼する人がほとんどです。


地目変更の流れ

  1. 農地法の許可を取得する/農地法届出の受理証を取得する
  2. 実際に農地を転用する(宅地を建てる、駐車場にするなど)
  3. 法務局へ登記申請(登記申請書や転用許可証/転用受理通知書など必要書類を添付)

1~2週間で登記手続が完了→新しい土地全部事項証明書の取得が可能に。

※法務局へ提出後の処理期間について、1~2週間はあくまでも目安。前後する場合もあります。


登記申請をする際に、転用許可証/転用受理通知書に替えて「転用事実確認証明」を添付する方法もあります。


地目変更のタイミング(地目変更は忘れがち)

地目変更の手続きをするタイミングは、転用後(物理的に農地でなくなってから)

転用許可が下りても、計画が実行されず田や畑のままの状態では、地目を変えることはできません。

リフォーム後のピカピカの家のイラスト


所有権移転登記に比べて、地目変更はやらない人が多い。

転用者に対して、地目変更の必要性を伝える関係者がいないことがその要因だと考えられます。

地目変更のタイミングは、転用が完了した後。すでに不動産会社や住宅メーカーとの関係は終了しています。


農業委員会も、転用された農地について「地目変更されたか」の確認はしません

地目変更をしなかったからと言って、特に罰則もありません。得にメリットを感じられないため、転用者は報酬を払ってまで手続きないかもしれません。


では、地目変更はしなくても問題ないのか

いえ、あとあと問題になることがあります


地目変更をしない人もいるけど…した方がいい理由

地目変更の必要性とは? 一言で言うと、将来にわたって農地法が関与することを回避するため

地目変更をしないと、地目は農地のままです。地目が農地である限り、ずっと農地法が関わってきます

今は想像できなくても、将来地目変更が必要になることがあります。

必要になってから変更しようとしてもできなかったり余分な費用がかかったりと面倒な展開になることも多い。

どんなリスクがあるのか?について詳細は、

【転確・進捗状況報告】地目変更との関係、提出しないリスクも?で解説しています。


地目変更をした方がいいですか?と相談を受けたときには、地目変更することを進めています。

農地転用に関わる自分たちは、地目変更をしないことによるリスクについても、きちんと伝える役割があると思っています。


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