転用する農地が、土地改良区の受益地だったとき、
避けて通れないのが受益除外の手続き。
この手続きを、下記の点から具体的に解説します。
- 手続きの流れ(農地法申請も含めた、全体の流れ)
- 手続きに必要な書類
- 手続き後に発行される意見書について
- 手続き終了後にすること(決済金支払)
※そもそも土地改良区や受益地のことがよくわからない。という方へ、解説記事を書いています。
【土地改良区の受益地】転用するには?必要な手続きや、費用・スケジュールの影響について」
受益除外の手続きの流れ
手続きの流れを図にすると、こんな感じです。
番号が振ってある順番に①から⑨まで進めていきます。
※なかには、順番が少し違う土地改良区もあります。
たとえば⑥の意見書発行手数料の支払いのときに、
⑨の決済金の支払いも同時に求めるところも。
上の図をリストにして、
申請人(または申請代理人)の行程を赤字にしました。
7の農地法申請をする前に、1~6の行程を済ませる必要があります。
逆算して、スケジュール調整しましょう。
提出書類の詳細について
受益除外の提出書類は、それぞれの改良区によって異なりますが、
下記のようなものが挙げられます。
- 「申請書/申出書」等 → 受益地から除外し転用したい旨の申し出
- 「通知書」等 → 農地法申請(届出)の手続きをする旨の通知
- 「確約書」等 → 土地改良区の水路に支障のない工事をすること、改良区の規約に沿った手続きや施工を確約
※書類の名前は改良区によって違いますが、中身はおおよそ上記に記載された内容のはず。
書類を用意したら、下記の対応をします。
- 組合員(転用する農地の所有者)
- 転用関係者(申請地を転用する人=譲受人、賃借人など)
を記名し、押印をもらう
添付書類もあり、この2つは定番。どの土地改良区でも添付が必要と思われます。
- 除外する土地の所在がわかる資料=位置図、案内図、公図写
- 転用計画についての資料=配置図、平面図(雨水、生活排水の排水先を明記)
※これ以外にも、改良区によって必要な書類があります。該当の改良区へお問い合わせください。
上記の図面は、農地法申請で提出するものと同じで大丈夫。
改良区によっては、追加で必要なものがあるかもしれないので
必ず確認してから提出してくださいね。
意見書とは
除外手続きの書類を提出すると、土地改良区から意見書が発行されます。
これは、受益から除外したいとの申出に対して、
「改良区として問題がないと判断した」ことを示す書類。
受益地の転用申請は、この意見書がないと受付してもらえません。
農地法の申請書類に、この意見書を添えて提出します。
意見書は、
農地法申請の締め切り前に発行 → 申請人(代理人)が改良区に取りに行く
という流れが多いです。
なかには、意見書を発行したら、
そのまま農業委員会事務局へ届けてくれる改良区もあります。
意見書には手数料がかかる
一般的に、意見書には手数料がかかります。金額は1,000円程度。
「意見書発行手数料」や「事務手数料」の名目で、納付書が発行されます。
意見書を受け取る際にこの納付書も一緒に渡されることが多いです。
現金納付が可能な改良区もあれば、
誰が支払ったかを記録に残すため、現金納付はできず振込のみ対応
とする改良区もあります。
改良区へ除外の書類を提出するときに、確認しておきましょう↓
- 意見書の発行はいつ頃になるか、
- また意見書の受取方法と手数料の支払方法
その後の対応がスムーズにできます。
手続きが終わったら決済金の支払
上記手続きが完了したら、土地改良区へ決済金を支払います。
決済金は、土地改良区から受益を外す際に納めるもの。
納付すると受益地だった農地が、完全に土地改良区との関係性を失います。
決済金はなぜ払うのか、その支払方法などについて、下記で詳しく解説しています。
【土地改良区 決済金とは】なぜ必要?誰が払う?どうして高いの?
土地改良区の手続きについては、たくさんのトラブルや失敗を経験しています。
[実話] 土地改良区の手続きをしないて農地法申請をしてしまった!
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