農地法手続きの依頼時、情報は農地(申請地)の土地全部事項証明書のみということも多々あります。
地図上で申請地の位置を確認したいけど、農地の地番だけでは検討がつけられない...
そんなときに農地の地番で位置検索できるのが農地ナビです。さらにそこから一番近い宅地の地番も知ることができるんです。
また、農地の種類や周囲の土地の状況など、転用手続きをする上で必要な情報を収集することができ非常に便利です。
この記事では、そんな便利な農地ナビの使い方について解説します。
農地ナビとは
農地ナビとは、正式には「全国農地ナビ」という名称の農地情報公開システムのことで、市町村・農業委員会が管理する農地台帳に基づく情報を公表しているサイトです。
実際に農地を検索する方法は2つあります。
- 条件から探す
- 地図から探す
順に説明します。
検索方法①条件から探す
農地ナビ画面を検索して、開きます。
条件から探すをクリックし、調べたい農地の所在・地番を入力して検索すると、ヒットした農地の位置を中心に、航空写真を見ることができます。
「都道府県市区町村大字」の検索バーについては、「参照」ボタンから県、市などを選択していきます。
「検索して一覧を表示する」ボタンをクリックすると、検索候補の農地の一覧表が表示されます。
その表から該当する地番の農地を選定し、表の左にある「詳細」ボタンをクリックするとこんな感じで表示されます↓
さらに表示ボタンから、「地図」「航空写真」「水域図」「地形図」を選択できるので、見たい情報を選んで表示させることができます。
検索方法②地図から探す
農地のおおよその位置や近くに目印となる建物などがある場合、地図からその農地の場所を探せます。
該当の位置を左クリックすると、その農地の基本情報が表示されます。
農地ナビのホームより、「地図から探す」を選択します。
農地ナビからわかる情報について
前述した通り農地ナビで下記情報が得られます。
- 地図上での位置(近隣の宅地の地番なども確認できる)
- 検索した農地の基礎情報(所在、地目、面積等)
しかし、農地ナビから収集できる情報はこれだけではありません。ほかにも下記のことがわかります。
- 青農地か白農地か
- その農地の該当する都市計画区域
- その所有者が、ほかに耕作している農地
- 周囲の土地の状況
1つずつ解説します。
情報1.青農地か白農地か
下の農地を検索した画像の右側に、「色分けの設定」が選択できるようになっています。
「色分けの設定」から「農振法区分」を選択します。
するとこの農地は赤い〇内側が黄色に変わり、凡例の表で確認すると黄色=農業振興地域内・農用地区域内 となっています。
農業振興地域内・農用地区域内とは、青農地のことですので、この農地が青農地であることがわかります。
情報2.その農地の該当する都市計画区域
農地の検索結果、画像下に記載された「基本的事項」をみていくと、「地域区分」という区分があり、さらに下記2つがあります。
- 「農振法区分」
- 「都市計画区分」
※「農振法区分」では、1で確認した「農業振興地域内・農用地区域内」についてここでも確認ができます。
さらに「都市計画区域」については、「市街化調整区域」であることがわかります。
情報3.その所有者が、ほかに耕作している農地
下記の農地の所有者が、ほかに利用している農地があるかを調べていきます。
画像下の「基本的事項」の、「地域区分」よりさらに下に「耕作者整理番号」欄があります。その右にある
「この耕作者が利用している農地を色分け→」の「色分け」ボタンを押します。
すると、赤い〇の農地と同じ、黄色の農地がいくつか出てきます。この同じ色で印された農地は、同じ耕作者が利用する農地です。
情報4.周囲の土地の状況
検索した農地だけが、赤い〇で示されている状態からスタートします↓
画像下にある、「すべての農地を表示する」↑をクリックします。
すると、周囲の農地にすべて〇がついた状態になります。
上の画像では、検索した農地の周囲はすべて、農地で囲われていることがわかります。
農地なのに検索してもヒットしないのは
農地を検索しているのに、情報がヒットしないときがあります↓
こんな表示が出る理由としては、下記原因が推測されます。
- すでに転用手続きがされている
- 周囲が宅地化され、検索した農地も休耕地になっている
自分の経験では、2の場合が多かったです。航空写真で農地であることが確認できず、課税地目も農地でない場合、
農地として認識されず、情報が反映されなかったものと推察します。
とはいえ、1の可能性もあります。
その場合は計画変更手続きが必要になる可能性も出てきます。農地ナビでヒットしない場合は、早めに農業委員会へ転用見込みを問い合わせましょう。
【注意点】情報は絶対ではない
農地ナビは情報収集のための便利なツールですが、その情報は絶対ではありません。反映元である、農地台帳の情報がすでに不正確な部分もあるからです。
情報を収集した後は農業委員会の事前相談にて、その情報の整合性を確認してください。
100%正確ではないにしろ、農業委員会へ相談する前にある程度の情報を抑えておきたい立場としては、
ネットで簡単にそれが叶うので本当にお勧めのツールです。ぜひ活用してみてください。
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