農地法申請では、「転用計画を実施する資力があること」を証明する必要があります。
資力証明の書類は下記のいずれか、または下記を組み合わせたもの。
- 融資証明書
- 残高証明書
- 通帳の写し
しかし場合によっては、上記に加えて「自己資金証明書」が追加になることも。
についてお伝えしていきます。
自己資金証明書の内容
自己資金証明書とは、転用計画者の資金の内訳を示す書面。
一般的な資力を証明する書類(融資証明書や残高証明書)の補完が目的です。
記載する項目は、この3つに分かれています。
- 自己資金
- 借入資金
- その他
内訳の金額をすべて足した合計額を、一番下に記載。
この合計額 => 転用に必要な資金
であることが必要です。
自己資金の項目は、
- 銀行名、支店名、口座名
- 銀行口座の預金額
などを記載。
借入資金の項目は、
- 借入をしている場合に借入金額
- 借入先
の記載が必要。
その他の項目は、
- 資金の一部について親や家族などから借りる
場合などに記載するもの。
必要になるケースとは?
自己資金証明書は、「残高証明書や融資証明書により、内容が明らかである場合」は不要。
添付が必要になるのは、証明書類のみでは不明な場合。
具体的には、こんなケース。
- 証明書類が複数にわたるとき
- 転用計画者以外の人が出資しているとき
上記のケースについて、詳しく説明していきます。
ケース1 証明書類が複数
複数といっても、合計が2枚程度なら該当しません。
自己資金証明書が必要なのは、証明書類が4、5枚にわたり、総額がすぐにわからないとき。
合計を確認するのに、電卓を使うようなケースは自己資金証明書を添付します。
例えば、下記の証明書で3500万円の資力を証明するような場合。
- 1600万円の借入証明書
- A銀行の780万円の残高証明書
- B銀行の540万円の残高証明書
- C銀行の470万円の通帳の写し
- D信用金庫の110万円の通帳の写し
上記の証明書をパッと見て、3500万円分あることがわかりにくい。
そのため自己資金証明書1枚で、資金状況が把握できるようにします。
上記は極端な例。実際には少ないですが、4枚の残高証明書を提出した経験はあります。
※夫婦連名で申請する場合。
- 夫の借入証明書と
- 妻の通帳残高の写し
を提出するとき、自己資金証明書を求める申請先もあります。
ケース2 転用者(申請者)以外の人が出資
このケースで多いのは、親からの資金援助です。
個人住宅を建てる転用で、資金の一部を転用者(施主)の両親から借りるケース。
無利子の親ローンを利用される方も多いと思います。
親の援助分を証明額に加えたいときも、自己資金証明書を使います。
自己資金証明書に親から貸付を受ける旨を記載し、残高証明書を添付します。
親からの援助:贈与に注意
転用者以外の人が出資するとき、贈与もあるのでは?と考えるかもしれません。
そのような場合も、自己資金証明書「その他」項目に
- 両親からの贈与であること
- その金額
について記載をすれば、資力の証明になります。
ただ自分の経験上、「贈与」で自己資金証明書を提出したケースはありません。
- 金額によっては贈与税がかかったり
- 非課税内でも確定申告が必要になったり
煩雑なことも多いため、貸付が多いのではないかと推測します。
親からの「贈与」分を転用資金に組み込むときは、税理士に確認してからにしましょう。
資金証明については、こんな記事も書いています。
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