行政書士の収入源として、農地転用は儲かる分野なのか

農地転用は儲かる分野? 行政書士と補助者のしごと

行政書士の仕事には、ほんとうに様々な分野があります。

そのなかで農地転用は、儲かる分野なのか?

  • 他の分野との比較
  • 費用対効果
  • 収入源としてのメリット

について、まとめます。


他分野と比べて、農地転用の報酬は高くない

札束の入った封筒のイラスト

自分のかつての勤務先(法務事務所)の報酬は下記の通り。

  • 農地転用 9万円~
  • 建設業許可(更新) 10万円程度~
  • 産業廃棄物収集運搬業許可 12万円~
  • 特別管理産業廃棄物収集運搬業許可 14万円~

この報酬設定は、事務所と同地域の平均に近いはず。(各事務所ホームページや書士会の報酬額統計調査を参考)


事務所により、個別案件ごとの上乗せがあるので一概には言えませんが、農地転用が高くないのは確かです。


農地転用の費用対効果(他業務と比較)

グラフと男性のイラスト(考える)

費用対効果の面でも、農地転用は良くはないと思っています。他の分野と比較して、農転はやることが多い…。


農地転用手続きでやることをまとめると、こんな感じです。

  1. 現地確認
  2. 農業委員会へ事前相談
  3. 仲介業者に押印書類と案内を送る
  4. 申請書作成
  5. jw_cadで公図写作成、配置図の修正
  6. 公的証明書を収集
  7. 仲介業者へ押印書類・必要書類を取りに行く
  8. 申請
  9. 補正があれば対応
  10. 申請先によっては、農業委員へ説明
  11. 内容によっては農業委員会へ出席して説明
  12. 許可証を取りに行く
忙しいビジネスマンのイラスト

さらに、

  • 関連法令があればその申請や他士業との連携
  • 複雑な案件は転用者や関連業者へ説明に行く

など、ケースバイケースで追加になる仕事も色々。

他分野はたいてい申請者とのやり取りで完結しますが、そうはいかないのが農転。


たとえば産廃(収集運搬)や建設業の申請(更新)は、こんな感じ。

  1. 顧客へ押印書類と案内を送付
  2. 申請書作成
  3. 公的証明書を収集
  4. 顧客から必要書類を回収、申請の説明
  5. 申請
  6. 補正があれば対応
  7. 許可証を取りに行く
ゴミ収集車・清掃車のキャラクター

新規と更新では手間が違うし、更新期日や変更届の管理もある。建設の新規許可は年々、難しくなっている。

特別管理は、特定有害の知識や試験分析表の手配、専門知識も必要。県ごとに対応は違うし、出張も増える。


それでも農地転用に比べて、やることも関係法令や関係者も少ない。

マニュアル化しやすく、新人でも短期間である程度できるようになります。



農地転用を収入源にするメリット2つ

請求書のイラスト

農地転用手続きは、申請~許可までの期間が比較的、短いです。つまり、

メリット① 

早く請求することができる=収益化までの時間が短い


これに対して産廃(収運)は、多くの県で標準処理期間が60日前後、報酬の請求は2か月以上先になります。

※注意点大前提として、報酬の請求=許可後のスタイルに限ります。

申請をした時点で報酬を請求する場合、ここで述べたメリットはありません。



もう一つ、農地転用のいいところは

メリット②

常に新規案件(更新なし)のため、予定外の収入増になる

賃金格差のない会社員のイラスト

建設業や産廃は、新規案件が少ないです。更新は手続日程が決まっているので、

「今月の報酬はこのくらいだな」と見積ることができます。

裏を返せば、それ以上の収入は期待できないということ。



それに対して農地転用は常に新規案件。依頼をもらえたらその分、予定外の収益が増えます。

仲介業者があってこそですが、建設・産廃より新規案件が入りやすい分野。


ただこのメリットは、農転以外の業務もあってこその話。

取り扱い業務を農転だけに絞ると、デメリットになることも。



デメリット:農地転用は、継続性がない

お財布のキャラクター(泣く)

建設業や産廃の許可は、5年ごとに更新があります。

一度許可をとったら更新許可の手続きが必ずある。継続的な取引は、収入の予測や安定が見込めます。


対する農転は、許可をとったらその後に続くものが無い…。

更新手続きがないから、申請者とは一度きりの付き合いです。


継続性の無い新規案件は、収入の予測がつかない。

自分の勤務先では平均3~5件/月、農転依頼がありましたが

  • 少ないときは1、2件 (0件はほぼ無い)
  • 多いときは20件 (「一人じゃ無理!」と叫びそうに…)

と、かなり幅がありました。



農地転用で、継続的に収入を得るには

不動産屋さんのイラスト(建物)

農転はすべて新規案件で不安定と言いましたが、自分の勤務先(法務事務所)では継続的に農転で収入を得ていました。

それは、大口の不動産会社のおかげ。

土地売買は地域トップの業績、その転用案件すべてを回してもらっています。


不動産屋のイラスト

申請者とは一度きりの付き合いですが、

転用手続きを依頼してくれる仲介業者があれば、仕事は定期的に入ってきます。


仲介業者とは、不動産会社に限りません。土地家屋調査士事務所もよく依頼をくれます。

農転が専門外行政書士事務所から依頼を受けることも。

転用に関係する事業者とのつながりが、農転の依頼獲得に不可欠なのです。


サブ業務にするとうまくいく

起業家のイラスト(男性)

前述したように下記の点から、農転はメイン業務には不向き。

  • 1件あたりの報酬が高くない
  • 費用対効果が高くない
  • 継続的な更新がないため、安定的な収益源ではない

他のメイン業務と並行して、副収入を狙ってやるのがおすすめ。

もし、この記事を読んでくださっている行政書士の方で

  • もう少し報酬を増やしたい
  • 取り扱い分野を広げたい

と考えているのなら、農地転用手続きはアリだと思います。

投資をしている人のイラスト


ただ、先にも述べましたが農転はマニュアル化しにくく、特に経験の「量」が問われる業務。

それが強味にもなりますが、長期的な視野が必要です。



自分自身、農地転用に参入する先生を、微力ながら応援したくてこのブログを始めました。

農転業務に少しでも役立つ記事、を目指してこれからも書きます。

もし農転依頼に困ったり悩んだときには、このブログのことを思い出して、また訪れてくれたらうれしいです。

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