添付書類 委任状について

申請書類のなかで、委任状を一番先に作成すべき理由  基礎編

委任状は、行政書士が代理申請するときに必要な書類です。

行政書士が、申請人から依頼を受けたことを証明する書類なので、

委任状が無いと、代理申請はできません

そのような大事な書類なので、

  • 必ず記載すべき事項、
  • 取り扱い上、注意すべきこと

についてまとめました。

この記事では、

  • 委任状に記載すべき事項
  • 押印は実印か認印か
  • 絶対に捨印が必要な理由
  • 申請人が多いときはどうするか
  • 申請書類のなかで、委任状を1番先に作成すべき理由

について取り上げます。

委任状に記載すべき事項

委任状の様式は、市町村で規定のものがあればそれを使用するか、

行政書士会の指定書式を使用します。

委任状に記載する事項は、

  1. 委任者(申請人)に関する情報
  2. 受任者(行政書士)に関する情報
  3. 申請する内容に関する情報

です。

一つずつ詳細をみていきます。

1委任者(申請人)に関する情報

記載すべき情報は

  • 譲渡人/譲受人など、申請人の立場
  • 申請人の住所、氏名
  • 申請人が法人の場合は所在地、会社名、代表者名

です。

2受任者(行政書士)に関する情報

記載すべき情報は

  • 所属する行政書士会名
  • 行政書士会の登録番号
  • 行政書士名 (法人の場合は法人名と代表社員名)
  • 住所(法人の場合は事務所所在地)
  • 電話番号

です。

3申請する内容に関する情報

記載すべき情報は

  • ①申請人が農地法〇条の許可申請について、2の代理人に委任する旨
  • ②申請地
  • ③委任する業務内容

です。

一つずつ掘り下げると

①は、

「私は、行政書士法第1条の3の規定により、2の者を代理人と定め、

農地法〇条第〇項の許可申請について、下記事項を委任します。」

のような文章で表記し、

下記事項=②申請地、③委任する業務内容 へつなげます。

②は、登記事項証明書の通りに、

  • 所在
  • 地番
  • 地目
  • 面積 を記載します。

③は

  • 農地法〇条許可申請書の作成、
  • その申請
  • その補正
  • その取下げ
  • 許可書の受領

についての権限を記載しておくと、

農地法申請にかかる一切の業務を行うことができます。

押印は実印か認印か

委任状には、委任者=申請人全員の押印が必要です。

そこでよく聞かれるのが、押印は実印なのか、認印でよいのか

ということです。これについては、

個人は認印でOK(実印でもいい)

法人は実印 (認印は不可)

となっています。

市町村によっては、実印であることを確認するために

法人の印鑑証明書の添付を求めるところもあります。

申請人に押印をもらう書類は、委任状のみというケースも多いですが、

個々の事例によってほかにも押印書類が必要な場合には、

  • 法人はすべて実印、
  • 個人は委任状と同じ印

をもらうようにします。

絶対に捨印が必要な理由

委任状には、絶対にその余白(上部)に捨印をもらっておくべきです。

後に委任状の訂正が必要になる場合が、少なくないからです。

以下のケースがよくあります。

理由① 仲介業者による情報が間違っていることがある

農地転用手続の依頼は、

不動産会社や測量会社の仲介によることが圧倒的に多いです。

そのため、申請人の情報は、仲介業者からの又聞きになります。

譲渡人=農地所有者については、土地全部事項証明で確認ができますが、

その登記された住所から引っ越している場合もあります。

譲受人については、

仲介業者の手書きのメモやメールの情報しか無いことがほとんどです。

その情報を委任状に記載しますが、後々、住民票が届いて確認すると

  • アパートの名前がカタカナじゃなくて英語だった、とか
  • 住所の「○○番地〇」という表記が「○○番〇号」だった

などの事実に慌てることになります。

そんな時、捨て印があれば、部分的に訂正ができます。

訂正した委任状に再度押印をもらいに行く、という事態を回避できます。

些細な住所表記の違いがそんなに問題か、と思うかもしれませんが、

委任状の内容・表記 = 申請書の内容・表記

でないと、補正指示がきます。

そして、申請書の内容・表記 = 本人確認書類の内容・表記

でないと、所有権移転登記ができなくなります。

つまり、

委任状の内容・表記 = 本人確認書類の内容・表記

になっていないと、正しい手続にならないのです。

それなら、住民票などの正式な書類を待ってから委任状を作れば

と思いますよね。でも、それができない事情があります。

その理由については、

「申請書類のなかで、委任状を1番先に作成すべき理由」

の章で説明します。

理由② 申請地が分筆予定だと、地番が定まらない

申請地の面積が大きいと、必要面積の分だけ分筆することもよくあります。

分筆登記をするのに数週間がかかるため、登記の完了を待って

委任状を作成する余裕はありません。

予定地番を聞いて、委任状に記載しておくのですが、

予定通りに行かず、違う枝番で登記することになった

という連絡がくることもあります。

その際、捨て印があれば地番を訂正できます。

理由③ 譲受人が連名であることを後日知らされる

譲受人が一人だと連絡を受けていたが、委任状を手配した後になって

所有権移転登記は夫婦連名でする、ということが発覚した、

なんてことはよくあります。

農地法の譲受人 = 所有権移転登記の登記人(共有者がいれば全員)

です。

ここが一致しないと、登記手続きができないのですが、

その事実を知らない人が多いため、

譲受人となる人の一部についてしか情報が来ない

ということがあります。

押印をもらう前に、譲受人が複数になることに気づけたら、

捨て印によって

手書きで譲受人の氏名と住所を書き足してもらうことが可能です。

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