農地転用の委任状:書式と記入例(記載すべき権限など)ポイントを解説

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申請書類のなかで、委任状を一番先に作成すべき理由  農地転用

委任状は、行政書士が代理申請するときに必要な書類。

申請人から依頼を受けたことの証明なので、委任状が無いと、代理申請はできません


その大事な書類について

  • 農地転用記載しておくべき権限・範囲
  • 申請者の印(実印か認印か?
  • 捨印をもらうべき理由
  • 委任状が修正になる主なケース

上記について具体的に解説します。


農地転用の委任状【書式と記入例】

委任状は市町村で指定の書式や、行政書士会の指定書式を使います。任意様式も可なので、参考に様式(記入例)を作成しました。

自分が勤務した行政書士事務所のものとは様式や文言が少し違います。が、そこで記載していた内容はすべて反映させました。

作成するにあたってポイントや注意点を詳しく解説します。


申請人の印は実印?(個人は認印でOK)

委任状には、委任者=申請人全員の押印が必要。

よく聞かれるのが、押印は実印なのか?認印でよいのか?これについては、

個人は認印でOK(実印でもいい)

法人は実印 (認印は不可

となっています。


委任状の余白(書類の上部)に捨て印をもらっておくことをお勧めします。

後になって委任状の内容を修正がすることが多いから。記事後半で詳しく説明します。


市町村によっては、実印であることを確認するために法人の印鑑証明書の添付を求めるところもあります。

申請人に押印をもらう書類は、委任状のみというケースも多いですが、ほかにも押印書類が必要な場合には、

  • 法人はすべて実印
  • 個人は委任状と同じ印

をもらうようにします。


委任状に記載する内容(申請者・行政書士・委任する内容)

委任状に記載する事項は、この3点。

  1. 委任者(申請人)に関する情報
  2. 受任者(代理人:行政書士)に関する情報
  3. 委任する内容に関する情報



記載事項1:委任者(申請人)に関する情報

下記を記載します。

  • 譲渡人/譲受人など、申請人の立場
  • 申請人の住所、氏名
  • 申請人が法人の場合は所在地、会社名、代表者名


記載事項 受任者(行政書士)に関する情報

記載すべき情報は

  • 所属する行政書士会名
  • 行政書士会の登録番号
  • 行政書士名 (法人の場合は法人名と代表社員名)
  • 住所(法人の場合は事務所所在地)
  • 電話番号

記載事項3:委任する内容に関する情報については次章で解説します。

【委任内容】ポイントは委任する業務(権限の範囲)

委任する内容について記載する情報は

  1. 申請人が農地法〇条の許可申請について、2の代理人に委任する旨
  2. 申請地
  3. 委任する業務内容


一つずつ掘り下げます。上記1は、下記のように表記。

「私は、行政書士法第1条の3の規定により、2の者を代理人と定め、

農地法〇条第〇項の許可申請について、下記事項を委任します。」


上記2は、申請地の情報を登記事項証明書の通りに記載。

  • 所在
  • 地番
  • 地目
  • 面積 


上記3はこれらの権限を記載しておくと、農地法申請にかかる一切の業務を行うことができます。

  • 農地法〇条許可申請書の作成
  • その申請
  • その補正
  • その取下げ
  • 許可書の受領

※計画の変更や問題点がでてきて、申請を取り下げることがたまにあります。

取り下げの権限がないと、そのための委任状をもらい直す手間になるので事前に書いておくといいです。


農地法の委任状に「絶対、捨印が必要」の理由

委任状には、絶対に捨印をもらっておくべき。後に委任状の訂正が必要になる場合が、農転は特に多いから。


よくあるのが、こんなケース。

  • 仲介業者による情報がたまに違う
  • 申請地が分筆予定だと、地番が定まらない
  • 譲受人が連名であることを後日知らされる

事前に想定しておくと柔軟に対応できます。

それぞれ具体的に説明します。

捨印で修正①申請者情報が違う

農地転用手続の依頼は、不動産会社や測量会社の仲介によることが圧倒的に多い。申請人の情報は、仲介業者からの又聞きになります。


農地所有者( 譲渡人 )の住所は土地全部事項証明に記載。でも登記住所から引っ越していることもあり。


譲受人の情報は、仲介業者からの情報(メールやFAX)のみ。それを委任状に記載しますが、後に住民票などで確認すると

  • アパートの名前がカタカナじゃなくて英語だった
  • 住所の「○○番地〇」という表記が「○○番〇号」だった

などの事実に慌てることも。そんな時、捨て印があれば対応ができます。


委任状を作成し直して再度、押印を回収に行く、という事態は回避はできるだけ回避したいもの。

押印回収するのは仲介業者正式な書類を待って委任状を作れない事情があります。

詳しくは「申請書類のなかで、委任状を1番先に作成すべき理由」という記事で解説。


捨印で修正②分筆予定だと地番が定まらない

申請地の面積が大きいと分筆することになります。分筆の登記完了が農地法申請の締め切り間際になることもしょっちゅう。


たいてい、登記の完了前に委任状を作成することになります。申請地の予定地番を聞いて、委任状に記載しますが

(土地家屋調査士事務所)

予定通りに行かず、違う枝番で登記することになった

なんてことも。捨て印があれば地番を訂正できます。


捨印で修正③譲受人が連名だと後日知る

譲受人は一人だと聞いていたのに…。委任状を手配した後になって「所有権移転登記は夫婦連名」と発覚。これもあるあるです。


農地法の譲受人 = 所有権移転登記の登記人(共有者がいれば全員

※ここが一致しないと、登記手続きができない


この事実を知らない人が多いので、譲受人となる人の一部しか情報が来ない…。

押印を回収するときに、譲受人が複数だと気づいたときには。

捨て印をもらい、手書きで譲受人の氏名と住所を書き足してもらうことが可能です。


【委任状の修正】再作成はせず、ほぼ捨印で対応

委任状を修正するケースが多いと話しましたが、修正は基本「捨て印」。

住所の修正、譲受人の追加などは書き足す字数も多く、書面は汚くなります。


それでも捨て印で直せる場合は、手段を選びません。以下がその理由。

  1. 申請者に何度も押印を頼むのは、難しい
  2. 押印をもらいにいくのは仲介者。彼らの負担になる
  3. 委任状は成果品に含まれない(申請者の手元にいかない)


なかでも上記2の事情は大きい。仕事を回してくれる相手だからこそ、迷惑はかけられません。


直接、自分が押印を回収に行くとしても、日程調整が必要。

さらに「代理申請者なのに書類、間違えてるの?」と不信感を持たれる可能性もあり、上記1の事情も重たい…。


結果、書面が汚くなろうと対処できるなら捨て印で修正ということに。


上記3のとおり、委任状は農業委員会から戻ってこない書類。

なので見栄えより、進捗や負担軽減を重視します。(許可証は申請者の手元に渡るので、きれいな状態を心がけます。)

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