転用事実確認証明願・進捗状況報告は、転用後に行う手続きで、それぞれの内容は下記の通り。
- 転用事実確認証明願=申請計画・許可内容の通りに転用がされたことの証明
- 進捗状況報告=転用の進捗状況を報告するもの
この2つの手続きについてわかりやすく解説していきます。
※転用事実確認証明願はよく「転確」と略称されます。本記事内でもこの略称で表記している箇所があります。
転用事実確認証明願と進捗状況報告の特徴や注意点
それぞれの特徴を表にするとこんな感じです。
進捗状況確認の提出回数は数回になっていますが、
実際は「完了報告」として一度だけの提出で済ますことが多いです。
転用事実確認証明願と進捗状況報告はセットで提出するのが基本。
転用事実確認証明願を農業委員会へ提出する際、
進捗状況報告の提出も求められます。
「転確だけ出してくれればいい」と依頼されますが、それはできないので注意しましょう。
書式と記載例
転用事実確認証明願と進捗状況報告の参考様式(記載例)を載せておきます。
基本的には許可証の内容を入力するだけ。
言い換えると、許可証の情報が無いと作成できない書類です。
農地法申請を頼んだ行政書士に、転確を頼むのが一般的。
行政書士も担当した申請案件は資料があるのでスムーズに対応できます。
農地法申請を担当せず、転確・進捗状況報告だけ依頼されるケースもまれにあるので、
そのときは顧客に農地法許可証の用意をお願いしましょう。
必要書類
転用事実確認証明願と進捗状況報告に添付する書類を下記に挙げます。
※添付書類は共通。
- 許可証の写し
- 位置図・案内図
- 公図
- 配置図
- 委任状
- 転用状況がわかる写真
※申請先によっては上記以外に必要な書類がある場合も。
詳細は申請先にご確認ください。
農地法申請で担当した案件なら、
1~4は作成済なので、それをコピー。
5は、転確と進捗状況報告を作成・提出する権限を委任する旨を記載し、
押印をもらいます。
6の転用状況がわかる写真は、現地に行って撮影。
転用状況がわかる写真
写真の添付は、申請計画・許可の内容通りに転用されたことを確認するため。
2方向からの写真2パターンを要求されることが多いので、
どの方角から撮ったのかを把握しておきましょう。
撮影した写真はパソコンに取り込んで、台紙に画像を添付。
台紙は様式がないので、こんな感じで完成です。
所要時間は2週間程度
転確と進捗状況報告の手続きは、下図のような流れになります。
書類作成に数日、提出~控えの返却までで1、2週間。
※控えが返却されるのは転確のみ。
進捗状況報告は提出した時点で手続完了(補正が無ければ)です。
転確の手続きは、地目変更を目的とする場合が多いです。
転確の手続き後の流れは、以下になります。
- 転確の控えを土地家屋調査士へ渡す
- 地目変更の書類と転確を法務局へ提出
- 地目が変更される
提出にかかる費用
転確と進捗状況報告の手続きに費用はかかりません。
提出先:農業委員会への費用はありませんが、行政書士に依頼する場合には、その報酬がかかります。
転確を行政書士に頼むときの報酬
行政書士に作成・提出を依頼した場合、
転用事実確認証明願と進捗状況報告のセットで2~3万円くらいが相場ではないでしょうか。
自分の勤務先事務所では2万円程度が基本、得意先は1万5千円でした。
作成内容は難しくないので、行政書士に依頼せず自身で作成・提出される転用者もいます。
実は提出しない人のほうが多い
転確・進捗状況報告を提出するための情報を伝えてきましたが、
実は手続きしない人のほうが多いです。
主な理由は
- 進捗状況報告の提出は必須ですが罰則がないこと
- 転用者が提出の必要性を感じていないこと
しかし、提出をしないことで不利益を被るケースもあります。
詳しくは
【転用事実確認証明願・進捗状況報告】提出は必須?現状とリスク にまとめています。
本当に提出しなくてもいいか、将来的な視野も含めてきちんと判断することが大事です。
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