一般的に、行政書士は食えないとよく言われます。
規模が大きい老舗事務所に顧客が集中する一方、開業したばかりの先生は集客や経営に苦労されています。
忙しく人手が足りない事務所は、ほかの行政書士に外注というかたちで仕事をながします。
実際、自分の勤務していた行政書士事務所でも外注を利用。
今回は、これから外注の仕事を受けることを検討されている先生へ。
受注側のメリットデメリットをまとめてました。
※発注側のメリットデメリットについては→忙しいけど雇用を迷っている先生へにまとめています。
受注する側のメリット
以下は外注の仕事を受けることのメリットです。
開業したばかりで仕事の取り方も進め方もわからない。仕事の依頼も全く取れていない。
そんな状態であれば、外注を受けるメリットは大きいはず。
受注する側のデメリット
外注の仕事を受けることのデメリットも知っておいてください。
自分で仕事を取れるようになってくると、
- 「安いし、このやり方は嫌なんだよな…」
- 「忙し過ぎて、断りたいけど今までの恩もあるし…」
など、上記のデメリットを強く感じるようになると思います。
(もちろん、それは自然なこと。そのように感じるのは成長や成功の証です。)
外注で得られる報酬金額はどのくらい?
自分が勤務していた法務事務所の外注料金を、参考にお伝えします。
外注業務で多いのが農地法申請ですが、事務所が顧客に請求する金額の4分の1くらい。
具体的に言うと、2万円台です。
農地法の事前調査から申請書作成まで、その労働対価が3万円以下。破格の金額です。
顧客に請求する金額でさえ、割に合わないと自分は感じているので。
※農地転用の費用対効果については、行政書士の収入源として、農地転用は儲かる分野なのかという記事でまとめています。
自分の勤めていた事務所は人件費にかなり厳しめなので、もう少し高額で外注する事務所もあると思います。
また地域的な労働賃金差や、受注業務によっても変動が大きいと想像します。
軌道に乗ったら、どんどんやめていい
前述の報酬額はほんの一例に過ぎませんが、外注で得られる報酬は、決して多くはありません。
当然、顧客から直接依頼を受けるほうが、多くの報酬を得られます。
労働に見合った報酬を自分で設定できるようにならないと、自分の労働対価は安いまま。
仕事を選べず、報酬も自分で決められないのでは立場的に補助者と変わりません。
せっかく資格を取って開業した先生には
補助者と同じ不自由さやストレスを味わって欲しくありません。
「外注を受けないとやっていけない」状況が続くなら、他士業の先生へ営業するのもアリ。
この記事で(勤めていた事務所では)どんなきっかけで仕事をもらうのか?について書いています。
参考にしてみてください。
外注を活用した行政書士の成功例
外注の仕事を受けることが成功につながるのか?不安があるかもしれません。
外注を活用しながら自分の仕事を増やし、成功した先生を自分は3人知っています。
- 自分が勤めていた事務所の所長
- 勤務先の事務所の外注先の先生(二人)
成功例1 勤務先事務所の所長
今でこそ外注を「する側」になるほど忙しい事務所になりましたが、
開業時は全く仕事がなく、大きな老舗事務所の外注を受けていたそうです。
当時、外注先の補助者が性格のキツいおばちゃんで怖かった、と話していました。
そうした経験が自分で仕事をとりたい、という原動力になったのかもしれません。
成功例2 勤務先事務所が外注した、先生ふたり
1人は、開業後半年もすると自分の仕事が忙しくなり、外注の仕事が受けられなくなったと報告をもらいました。
その報告を受けたとき、所長は嬉しそうでした。仕事がなくて困っている先生を、若いときの自分と重ねていたところもあるのかもしれません。
仕事が忙しくなって外注を受けられなくなったら、今度は自分が困っている先生に「外注する側」に回ればいい。そうやって恩返しがつながっていく。
そんな風に考えているんじゃないでしょうか。
もう1人の先生も外注の仕事を受けつつも、自分の依頼も増え開業時とは比較にならないほど、忙しそうにされています。
外注はステップアップのための手段の一つ。
ゆくゆくは自分の案件が忙しくて外注を受けられなくなる。
そんな展開を目指して、一時的にうまく活用してみてください。
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