【「敷地拡張」の転用とは】申請上の「住宅敷地」との違いを解説

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敷地の拡張 農地転用

農地転用の用途・目的はいろいろあります。

建物建設に関する転用では、申請上「住宅敷地」となる場合と「敷地拡張」とする場合があります。


「住宅敷地」と「敷地拡張」はどのように使い分けているのか。

具体的なケースを紹介しながら「敷地拡張」の特徴や、住宅敷地との違いなどを解説します。


基本は「住宅敷地」


農地に一から新しく家を建てる。アパート住まいの夫婦が土地を購入して新築する場合などですね。

一般的に思い浮かべる上記のような転用、この用途・目的は「住宅敷地」です。


特徴① 敷地拡張は併用する宅地がある

「敷地拡張」はすでに利用している宅地について、隣接農地を利用して敷地を広げる場合の転用です。

そのため、申請地(農地)について必ず併用する宅地が存在します。


敷地拡張の具体的なケースとして3つ紹介します。

  1. 既存建物の増設
  2. 既存住宅の立替
  3. 住宅などへの進入路部分の拡張


1つずつ順に詳しくみていきます。


具体的例1:既存建物の増設


増設スペース確保のために、農地を敷地に組み込む場合です。

図は工場の増設ですが、個人住宅や事務所などの増設も該当します。


具体的例2:既存住宅の建替え


アパート暮らしの息子夫婦が親との同居を決めて、両親の既存住宅を二世帯住宅へ建て替える場合などが実際によくあります。

住宅に加え、駐車場や倉庫などの追加も想定されます。


具体的例3:住宅への進入路を拡張


親の住宅敷地内に息子夫婦の家を新築する際、敷地への進入部分が足りない場合です。住宅敷地への進入部分について農地を転用する場合も「敷地拡張」のための転用です。

図のケースでは必要な進入部分は農地の一部なので、必要部分のみ分筆して転用することになります。


特徴② 「拡張」のときは代替性の検討は不要

先の具体的3つをみると分かるように、拡張する場所は限られます。

もともと利用している宅地を併用するので、宅地に隣接している土地でないと拡張になりません

周辺の土地から選定」という過程がそもそも成り立たないのです。


そのため、敷地拡張の転用については代替性検討表の添付が不要となります。

理屈を考えば当然のことですが、これも敷地拡張で申請するときの特徴のひとつです。



特徴③ 「拡張」なら転用可能性が広がる

1種農地青農地住宅敷地へ転用するのは原則不可です。

しかし例外的に認められる可能性があるのが、1種農地や青農地に既に建物が建っている敷地を拡張する場合です。


ただ、敷地拡張でも1種農地や青農地を転用できるケースは少ないです。

代替性が無いことが明確で転用の必要性が認められる場合に限られるためです。

どんなケースがあるかについてはまた別記事で解説したいと思います。


伝えたい重要ポイントは、「住宅敷地」と「敷地拡張」はどちらも「農地を宅地に変える転用」だけれども、用途・目的の違いから転用の可否が分かれるということです。


判断に迷うときは申請先に委ねる

計画内容によっては、住宅敷地か敷地拡張か判断に迷う事例もあります。

同じような事例でも各市町村による解釈の違いで、判断が異なります。


転用見込みの確認と一緒に、どちらで申請すべきか確認しておくと安心です。

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