「忙しいので補助者を雇おうか」検討中の行政書士先生へ。
また、「行政書士事務所の補助者として働いてみたい」方へ。
補助者って行政書士業務のどこまでできるのか?
補助者登録やその費用も気になるところ。
業務範囲は、「補助者の名で申請」以外、業務ほとんどを任せられます。
登録費用は2千円~5千円程度、更新は5年に一度(初回は2年後)。
もう少し詳しく知りたい、と思われた方のために、自分が補助者として10年近く勤務した経験をもとに、具体的にお伝えしようと思います。
補助者ができること、できないこと
補助者の業務範囲について、できること・できないことを以下にまとめました。
かなり広い範囲で業務ができるので、行政書士の方は安心して仕事を任せることができると思います。
一方、「法務事務所に勤務したい」方にとっても、色々な経験を積んで成長できるのが補助者です。
雇われて働きながら、ゆくゆくは行政書士になりたい。という方は、一般事務員より補助者がお勧め。
行政書士会に登録された補助者には、補助者証票とバッジが交付されます。
勤務中、自分は補助者証票を携帯していました。行政への相談や申請などで、提示を求められることがあるから。
ちなみにバッジは一度も付けないまま、退職時に返却しました・・・。
実際はどこまでやる?補助者の実態
自分のいた事務所では、下記業務すべてを独断で行っていました。
- 案件を受ける
- 見積作成
- 申請書作成、提出
- 許可証と請求書(自分で発行)を顧客へ
担当業務について、自由に職印を押せる。
行政書士への報告や確認なく、自己判断・自己責任で申請書の作成~提出をするのが常。
これは本当は問題ですが依頼案件が多い事務所では、それが普通になっていたりします。
(もちろん、きちんと行政書士が確認している事務所もあります。)
一般事務員と補助者の違い
一般事務員については、行政書士会への登録は不要。
補助者と、どんなところが違ってくるのか?
一般事務員ができること・できないことについて、補助者と比較。
【実務で具体的に違っていた点】
上の表に加えて、実際の勤務上、補助者(自分)と事務員で違ったところをまとめました。
補助者は案件や顧客を担当するので、見積書・請求書を発行して顧客へ送ることがありました。
事務員には対外的な担当が無く、結果上記の違いにつながりました。
補助者にかかる費用
以下、補助者の登録にかかる費用です。
- 登録手数料2千円~5千円程度(詳細は各県の書士会に確認を)
- 1名ずつ、手数料がかかる
- 更新料:初回は2年、以降は5年に1回、
- 氏名変更があると手数料がかかる(住所変更は手数料ナシ)
上記の手数料は補助者登録をする場合にかかるもので、一般事務員については発生しません。
登録自体の費用は、2~5年で数千円程度。負担は小さめです。
むしろ費用がかかるのは、登録費用よりも人件費。業務内容の違いから、毎月発生する給与は補助者 > 一般事務員 になることが予想されます。
【補助者の勤務形態】正社員/パート、どっちも可
書士会補助規則により、臨時使用者は登録不可。
期間の定めのある派遣や契約といった雇用は除外されます。
知識や信頼の積み重ねがあるからこそ、任せられる業務も多く、自ずと長期的に勤務する従業員が対象になります。
事務所全体の仕事量や売上、従業員の立場などを勘案して、正社員/パートを判断されると思います。
採用者を補助者にするか、事務員にするか、は補助者のメリット・デメリットを確認したうえで判断しましょう。
補助者登録をするメリット、デメリット
補助者登録をすることのメリットは
特に1と2の利益は、一般事務員では実現が難しい。そこは補助者登録をする価値アリです。
デメリットは
これらは一般事務員にも該当することですが、業務範囲の広い補助者のほうが、教育の時間はかかるし、管理責任も人件費もより大きくなるでしょう。
【補助者登録するか迷ったら】経過を見つつ、後日登録もあり
自分が勤務していた事務所の内訳は、
- 補助者=正社員 1名
- 事務員=パート 2~3名
2の事務員パートについては、能力と本人のやる気があれば補助者登録も視野にいれて採用していました。
補助者にするかどうか迷ったら、まずは事務員として雇用し成長過程を見ながら登録の時期を決めるのもアリだと思います。
反対に、「補助者になりたいのに事務員の求人しかない」という方はまずは事務員として就職して知識や経験を積み、補助者へのステップアップを目指してみてはいかがでしょうか。
士業は人を雇うのが、特に難しい
士業は収入が不安定で、雇用が難しいとよく言われます。
それにはこんな事情が。
- 毎月の収入がバラバラで安定しない(更新手続きの案件数も月ごとに全然違う)
- 繫忙時期が予測できない(急な依頼が集中するときがある)
長年やっていても、来月の収入がどのくらいになるのか、年収は前年比を上回るのか?を予想するのはかなり難しい。
収入が落ち込む可能性もあるので、毎月、人件費が発生するのは経営者からするとリスクになります。
繫忙期が続いても、なかなか人を雇う決断ができない先生が多いです。
そんな先生へ、行政書士へ外注する方法もあります。
【行政書士業務の外注】忙しいけど...雇用を迷っている先生へ
外注のメリット・デメリット、補助者との比較などまとめました。
補助者になりたいのに求人が無いという人には
【行政書士補助者になりたいけど求人が無いときは】試してほしい就活方法
補助者になるためのアプローチを紹介しています。
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